音声通話付き格安SIMの選び方・おすすめプラン完全ガイド
ここでは音声通話付きSIMってなに?というところから、その他の格安SIMとの違いや注意点、選び方までを解説しています。
よく通話する人もそうでない人も、通話SIMを契約される方は必見の内容です。
目次
音声通話付き格安SIMとは?
SIMカードは3種類ある
格安SIMは利用できる機能別に3種類に分類することができます。
SIMの種類 | データ通信 | SMS | 音声通話 |
---|---|---|---|
データ専用SIM | ○ | ー | ー |
SMS付きデータSIM | ○ | ○ | ー |
音声通話SIM | ○ | ○ | ○ |
それぞれくわしく見ていきましょう。
データ専用SIM
キャリアの携帯電話を利用している方の中には違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、 格安SIMには音声通話が利用できないタイプのものが存在します。
このタイプは一般的にデータ専用SIMなどと呼ばれ、3GやLTEのモバイルデータ通信だけ利用することができます。
最低利用期間や違約金が設定されていないことが多いので、いつでも気軽に解約して他社に乗り換えることが可能です。
SMS付きデータSIM
2つ目はSMS付きデータSIMなどとも呼ばれています。
その名称の通りこれはSMSが利用できるようになったデータ専用SIMのことで、MVNOによってはデータ専用SIMのオプションとして提供されています。
一部のスマートフォンにおいてデータ専用SIMで通信すると、バッテリーを異常に消費する「セルスタンバイ問題」が発生する恐れがあります。
これを回避するために有効なのがSMS機能付きのデータSIMです。
音声通話SIM
今回取り上げるのは3つ目の音声通話SIMですね。
SMSだけでなく、090や080から始まる電話番号で音声通話を利用することもできます。
逆に言うと、 音声通話を利用するためにはこの音声通話機能付きのSIMカードを契約する必要があります。
データSIMとは異なり1年程度の最低利用期間、及び1万円程度の違約金を設定していることが多いです。
キャリアで利用していた時のように1台のスマートフォンで電話もネットも利用するためには、必ず音声通話付きの格安SIMを契約しましょう。
事業者が違っても品質やサービス内容はほぼ同じ
Y!mobileのような例外を除き、音声通話機能に関しては事業者による品質・サービスの違いがほとんどありません。
月額料金こそ多少の差はありますが、多くのMVNOがデータSIMの基本料金に+700円/月程度で通話SIMを利用することができます。
また通話単価はほぼ一律で20円/30秒となっており、無料通話などの割引を提供しているMVNOはほとんど存在しません。
特に家族間の通話が無料にならない点ではキャリアと大きく異なるので要注意です。
しかし通話品質に関しては、キャリアと完全に同一の品質で利用することができます。
回線が混雑していたり災害などの緊急時でも、格安だから繋がりにくいということはありません。
また、対応している端末とSIMカードの組み合わせなら高品質なVoLTEで通話することも可能です。
IP電話やプレフィックスサービスによる通話割引はある
通常の音声通話に関しては差がないのですが、MVNOによってはIP電話やプレフィックスによる通話割引サービスを提供している場合があります。
IP電話アプリはNTTが提供している 050 plusが有名ですね。
LINEの通話機能もIP電話と同じ仕組みです。
プレフィックスサービスは発信先の電話番号の頭に特定の番号を付けて発信することで、通常よりも割安の料金で通話サービスを提供することを実現しています。
MVNOによっては専用のアプリを提供しており、 普通に発信するだけで通常の半額程度の料金で通話が可能になります。
ただしこれらの通話機能はVoLTEの恩恵が受けられないなど、 通常の音声通話と比べると若干品質が劣る点には注意が必要です。
また、一部発信できない電話番号もあり、その場合は通常の20円/30秒で通話することになります。
プレフィックスサービスはMVNOごとに異なる割引が用意されていたりそれぞれ特色があるので、音声通話付きSIMを選ぶ際の大きなポイントとなります。
音声通話付き格安SIMの選び方と注意点
現在メジャーなMVNOのほとんどが音声通話付きのSIMカードを提供していますが、 インターリンクLTE のようにデータSIMしか提供していない事業者も存在するので注意しましょう。
またプリペイドタイプの格安SIMで音声通話に対応しているものは現状存在しません。
普通の後払い式の格安SIMならほぼ音声通話に対応していますが、以下の点に注意して契約するMVNOを選びましょう。
支払い方法は原則クレジットカードのみ!
元々口座振替に対応しているMVNOが少ないということもあり、 音声通話付きの格安SIMを契約するためにはクレジットカードがほぼ必須となります。
唯一 OCNモバイルONE のみが口座振替にも対応していますが、電話で申込み用紙を取り寄せる必要があるため開通までにかなりの日数を要します。
あるいは mineo や BIGLOBE 、 NifMo などは既に同社の固定通信サービスを契約しているユーザーに限り、現在の支払い方法で格安SIMも利用することができます。
しかし他のサービスを利用していない場合はクレジットカードでないと契約できません。
基本的にクレジットカード払いでないと音声通話付きSIMは契約できないものと考えましょう。
ただしデビットカードなら契約できるMVNOはいくつか存在するので、クレジットカードを持ちたくないという方は下記の記事を参考にしてみてください。
参考: 格安スマホはクレジットカードでなくてもデビットカードで利用できる?
MNPで契約するとスマホが利用できなくなる期間がある!?
MNP、つまり現在利用している電話番号を引き継いで格安SIMに乗り換え契約する場合、MVNOによっては電話番号(SIMカード)が利用できなくなる不通期間が発生します。
この問題は新しいSIMカードが開通した状態で発送されるために生じます。
しかし現在多くのMVNOでは、SIMカード到着後にユーザー自身が切り替え手続きを行うことでこの問題を解決しています。
下の一覧は即日MNP、あるいは不通期間なしでMNP契約できるMVNO事業者です。(2016年5月現在)
即日MNP可能・不通期間なしのMVNO業者
最低利用期間の有無とMNP転出手数料をチェック!
ほとんどのMVNOが音声通話付きSIMには最低利用期間を設けています。
最低利用期間中にデータSIMへプラン変更したり、格安SIM自体を解約すると1万円程度の違約金が発生します。
このような音声通話付きSIMを契約した場合、 データ通信速度などに不満があったとしてもすぐに解約しづらいというデメリットがあります。
また mineo は最低利用期間も違約金も請求しない代わりに、 契約から1年以内に他社へ乗り換える場合はMNP転出手数料が高額になるというシステムを採用しています。
電話番号を引き継いで他社へ乗り換える場合はMNPする必要があります。
すると結局1万円ほどのコストがかかり、実質1年間の縛りがあるということになります。
音声通話付きSIMを契約する場合は、この解約金とMNP転出手数料をしっかりと把握しておくことをオススメします。
たくさん通話するなら割引があるMVNOを検討しよう!
格安SIMは家族間の通話であっても無料になりませんし、普通に電話を掛けると一律20円/30秒の通話料を請求されますが、プレフィックスサービスを利用すると通話料の割引が受けられる場合があります。
また 楽天でんわの5分かけ放題オプションや BIGLOBEでんわの通話パック60など、独自のオプションを用意しているMVNOも存在します。
音声通話をたくさん利用される方は、自身の使い方に適した割引サービスを提供しているMVNOを選ぶと良いでしょう。
MVNOの特徴から音声通話付き格安SIMを選ぶ
料金を安くしたいけど品質は妥協したくない。
そんな方には Y!mobile や UQ mobile がオススメです。
Y!mobileは専用アプリやプレフィックスを利用しなくても、通話時間が10分以内であれば月300回までは無料で電話を掛けることができます。
また通信速度はキャリア並に速く、格安SIMの中でも圧倒的に快適と言えます。
月額料金が最も安いスマホプランSでも2,980円/月と格安SIMにしてはやや高めですが、品質の高さを考慮するとコストパフォーマンスは悪くありません。
またオプションのスーパーだれとでも定額(1,000円/月)に加入すれば通話時間・回数ともに無制限となります。
発信する回数が多く、通話時間が長い人にはY!mobileがオススメです。
またau系MVNOであるUQ mobileも比較的通信速度が速く、Y!mobileと同じく2,980円/月のぴったりプランを提供しています。
このプランは月1,200円分(最大30分)の無料通話が付与されるというものでY!mobileと比べると少し見劣りするかもしれませんが、こちらも通話品質を重視するユーザーにぴったりのプランとなっています。
月額料金から音声通話付き格安SIMを選ぶ
通話料金以外も考慮して月額料金が安い音声通話付きSIMを契約するなら、業界最安値級を謳っている DMMモバイル 一択でしょう。
DMMも10円/30秒で通話できるDMMトークを提供しています。
とにかく月額料金が安いですが、それでいて通信品質も良い部類であるのがDMMモバイルのすごいポイント。
「自分から発信することはあまりない」「とりあえず電話できればOK」という方にオススメです。
通話料金から音声通話付き格安SIMを選ぶ
格安SIMには、キャリアで提供されているような「通話し放題プラン」は基本的に用意されていません。
しかし、電話の利用頻度などライフスタイルに合わせて格安SIMを選べば、よりお得に通話できるようになります。
そこで毎月の通話時間別にオススメの音声通話付き格安SIMをまとめてみました。
1回の通話時間が5分以内なら楽天モバイルやFREETEL
楽天モバイル と FREETEL はそれぞれ「楽天でんわ」と「FREETELでんわ」というプレフィックスサービスを提供しています。
どちらも通話料金が10円/30秒と割安で、どの通信事業者と契約していても利用することができます。
そんな楽天モバイルでは自社ユーザー向けに「5分かけ放題オプション」を提供しています。
これはその名前の通り、1回の通話時間が5分以内であれば何度発信しても定額(850円/月)で通話できるオプションです。
またFREETELも自社ユーザー向けに「1分間かけ放題プラン(399円/月)」と「5分間かけ放題プラン(840円/月)」を提供しています。
これらはそれぞれの格安SIMを契約していないと利用できません。
発信回数は多いけれど1回あたりの通話時間は短いという方には楽天モバイル・FREETELの2社がオススメ。
どちらも比較的実効速度が速く、快適に利用できる格安SIMです。
毎月60分程度通話するならBIGLOBEやU-mobile
発信回数は少ないけれど1回の通話時間が長くなることがある。
そんな方には BIGLOBE の「通話パック60(650円/月)」や U-mobile の「でんわパック60(800円/月)」がオススメです。
どちらも通話料金は10円/30秒で、毎月1,200円分の無料通話が付与されます。つまり毎月最大60分までは定額で通話することが可能です。
1回あたりの通話時間が長い人には通話時間が制限されるかけ放題よりも、毎月の通話時間から割引される無料通話タイプのプレフィックスサービスが適していますね。
BIGLOBEは大人気のZenFoneシリーズを中心にラインナップを揃えている一方で、U-mobileはAndroid以外にもWindowsやBlackberryなど様々なOSを搭載した端末を取り扱っているのが特徴的です。
海外へ発信しても完全に定額のNifMo
NifMo が提供している電話アプリ「NifMoでんわ」はプレフィックスではなくIP電話サービスです。そのため普通の音声通話や、プレフィックスを利用した場合と比べても品質が若干不安定というデメリットがあります。
その代わりにNifMoでんわの「国内かけ放題プラン」は料金が破格です。たった1,300円/月で国内通話はかけ放題となります。音声通話付きSIMの3GBプランは基本料金は1,600円/月なので、最安2,900円/月から利用可能ということになります。
一見するとY!mobileとあまり変わらないようですが、 NifMOはデータ容量が3倍の3GBです。
また最大10GBのプランを選択可能で、データ通信量が多いユーザーにとってはNifMoのほうがかなり割安です。
さらにNifMoでんわには海外への通話料金も定額になる「国内+海外かけ放題プラン」も提供されています。これはIP電話だからこそ可能な割引サービスですね。
通話時間もデータ通信量も多い方は、Y!mobile以外にNifMoも検討してみると良いでしょう。
発信する回数が多く、通話時間も長いならY!mobile
格安SIMで月々の料金を下げたいものの、キャリアと同等程度に通話をしたい…という方は、上記で紹介したプランでは不十分かもしれません。
通話の頻度・時間が多い方には Y!mobile がおすすめです。
各プランでは標準で無料通話サービスを提供しており、1回あたりの通話が10分以内なら月300回まで無料です。
つまり、単純計算で、 1回10分以内の電話を1日10回もかけることができます。
普段から毎日のように何十分と通話している方でない限り、満足できるサービス内容でしょう。
それ以上に通話をする方や、制限を気にせず通話したいという方には、オプションの 「スーパーだれとでも定額(1,000円/月)」に加入することもおすすめです。
このオプションは、通話時間・回数が無制限(かけ放題)の完全定額サービスです。
格安SIMで制限を気にせず通話できるのは大きなポイントです。
さらに、Y!mobileでは下記のようなキャンペーンでよりお得に利用することができるのもメリットです。
- スマホプランSの料金が月々2,980円から月々1,980円に(1年間)
- データ通信容量も月々1GBから月々2GBと2倍に(2年間)
その他にもデータ通信容量が3G、7Gといったプランもあるため、スマホの利用状況に合せて選ぶとよいでしょう。
まとめ
格安SIMには音声通話が利用できないデータ専用SIMというものがあることを頭に入れておきましょう。
また電話番号を引き継いで契約するためにはMNPで契約しないといけませんが、MVNOによってはスマホが利用できない期間が発生してしまう点にも気を付けてください。
通常の音声通話はキャリアと全く同じ品質なので安心ですが、家族間の通話割引がないなど割高です。
たくさん通話される方はY!mobileや、プレフィックスサービスなどの通話割引を提供しているMVNOを検討してみてはいかがでしょうか。