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WiMAXで使える高速通信技術「キャリアアグリゲーション」とは?

キャリアアグリゲーションのイメージ

モバイルWi-Fiやスマホ通信の速度・スペックについて調べていると「キャリアアグリゲーション」という言葉を見かけることがあると思います。

「2つ以上の電波を使えるから通信が速くなる」ことだけはなんとなくわかったけど、それ以上のことは全然わからない…という人も多いのではないでしょうか。

  • キャリアアグリゲーションって結局なんのことなの?
  • 通信速度が上がるのはわかったけど、誰でも無料で使えるの?
  • キャリアアグリゲーションを使うことでデメリットはないの?

この記事では、上記のようなことが気になっている人に向けて、誰でもわかるようにキャリアアグリゲーションの仕組みとメリット・デメリットをお伝えします。


結論から言うと、

  • 契約しているキャリアがキャリアアグリゲーションに対応している
  • 自分が今キャリアアグリゲーションの対応エリア内にいる
  • キャリアアグリゲーションに対応している通信端末を持っている

の3点を満たせば、誰でもキャリアアグリゲーションを使うことができ、特に料金がかかることもありません。

ただし、 電池のもちなど「キャリアアグリゲーションの利用にあたって気をつけなければならないこと」もあるので、気になることはこの記事を読んで把握しておきましょう。

便利で高速なキャリアアグリゲーションを最大限活用して、ストレスのないモバイル通信を楽しみましょう!

IT初心者でもわかる「キャリアアグリゲーションとは」

まずはキャリアアグリゲーションの基礎知識についてくわしくご説明していきます。

一見難しそうに見えますが、実は結構単純な話ですのでぜひ最後まで読み進めてみてください。


「キャリアアグリゲーション」とは?

複数の周波数の電波による高速通信です。キャリアアグリゲーションの「キャリア」とは「電波」という意味、「アグリゲーション」とは「集約する」という意味です。

つまり、キャリアアグリゲーションとは「電波を集約する」「電波をまとめる」という意味になります。

キャリアアグリゲーションという技術が登場する前は、1つの電波(1つの周波数帯)のみを使ってデータを送受信していました。

しかし最近は動画のように非常に重いデータのやり取りが増えており、1つの電波だけでデータを送受信していたのではデータ量に対して通信速度が追いつかなくなってしまっています。

そこで今まで使っていた電波に加えてもう1つ別の電波を用意して、そちらも合わせて2つの電波で一気にデータを送ってしまおう、ということになりました。

このように2つの「電波」を「集約」してデータを送る、という技術がキャリアアグリゲーションです。

イメージとしては、今まで1人で重たい荷物を運んでいたものを、2人で協力して運ぶようにした、という感じです。

キャリアアグリゲーションのイメージ

1人で運ぶと重くて時間がかかってしまうかもしれませんが、2人で運べば1人あたりの負担が軽くなる分、はやく運ぶことができますよね。

キャリアアグリゲーションという技術は2つの電波でデータを送るため、その分通信速度がアップする、というわけです。

なお、3つの電波を使うことを「3波キャリアアグリゲーション(3CA)」ということもあります。

キャリアアグリゲーションは誰でも使えるの?お金がかかるの?

キャリアアグリゲーションを使えば通信速度が向上するため、「今すぐにでも使いたい」と思うのも無理はありません。

しかし、キャリアアグリゲーションを使うには以下の3つの条件が全て揃う必要があります。

キャリアアグリゲーションの3つの必須条件

キャリアアグリゲーションに必要な3つの条件

  1. お使いの通信会社がキャリアアグリゲーションに対応していること
  2. お使いの端末(スマートフォンやモバイルWi-Fiルーター)がキャリアアグリゲーションに対応していること
  3. お住まいの地域がキャリアアグリゲーションに対応したエリアであること

この3つの条件さえ満たしていれば、特にお金を支払ったりする必要はなく誰でもキャリアアグリゲーションを使うことができます。


3つの条件を満たしているかどうかは、後述の

の章でそれぞれ確認できます。

キャリアアグリゲーションのメリットとデメリット

それではここでキャリアアグリゲーションのメリットとデメリットについて簡単にご紹介しておきましょう。

メリット

キャリアアグリゲーションを使うメリットは「通信速度が速く安定している」ということです。

まず速度です。キャリアアグリゲーションを使用した場合の通信速度は、理論上束ねる電波それぞれが出す通信速度の足し算になります。

110Mbpsの電波と110Mbpsの電波を束ねれば220Mbpsになりますし、220Mbpsと150Mbpsの電波を束ねれば370Mbpsになる、といった具合です。

そして通信速度が速くなれば、スマートフォンはもちろん、モバイルWi-Fiルーターを使ったインターネットも快適に使えるようになることはいうまでもありません。

ここ数年でhuluやAmazonプライム・ビデオといったVOD(ビデオオンデマンド)サービスが増えてきましたが、通信速度が速ければこういった動画サービスも途中で止まったりすることなく、快適に楽しむことができます。


また、1つの電波に大勢の利用者が集中すると一時的に接続が切断されてしまうこともありました。

しかし複数の電波を束ねるキャリアアグリゲーションでの通信は、その時々の混雑状況しだいで空いている電波に通信を逃がすことができます。

つまり通信が切断されてしまうようなことが起きにくく、結果としてやはり快適性が向上します。

デメリット

逆にデメリットは「スマートフォンやモバイルWi-Fiルーターのバッテリーの減りが早い」ということです。

今までは1つの電波に乗って送られてきたデータが、キャリアアグリゲーションの通信では2つ、あるいは3つの電波に乗ってやってくることになります。

その分受け手であるスマートフォンやモバイルWi-Fiルーターは忙しく働かなくてはならなくなります。

もちろん機器側もそれだけの処理が可能なスペックは備えていますが、たくさん働くぶん、バッテリーもたくさん消費することになります。

そのためキャリアアグリゲーションを使わない通信に比べると、どうしてもバッテリーの減りは早くなってしまいます。

そのため人によっては充電器やモバイルバッテリーを常に持ち歩く必要があるかもしれません。


ただし、基本的にキャリアアグリゲーションは意図的にオンオフをするものではありません。

例えばNTTドコモのキャリアアグリゲーションは「PREMIUM 4G」といいます。これはdocomoユーザーであれば通常使っている通信手段ですよね。

このように、キャリアアグリゲーションは すでに無意識に使っていることの方が多いのです。

また、これはデメリットとはちょっと違いますが、キャリアアグリゲーションでは下り(ダウンロード)の速度は速くなりますが、上り(アップロード)の速さは変わりません。

キャリアアグリゲーションに対応しているサービス・通信会社とは

キャリアアグリゲーションを使うには「通信会社」「端末」「エリア」という3つの条件が揃う必要がありますが、ここではそのうち通信会社について見ていきたいと思います。

NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル、UQコミュニケーションズ(WiMAX)、以上5つの通信会社のキャリアアグリゲーションへの対応状況を表にまとめてみました。


CAへの対応状況 サービス名称 最大通信速度
NTTドコモ PREMIUM 4G 682Mbps
ソフトバンク 4G LTE/Hybrid 4G LTE 612Mbps
ワイモバイル 4G LTE/Hybrid 4G LTE 612Mbps
UQ コミュニケーションズ WiMAX 2+ 440Mbps

※CA=キャリアアグリゲーション

ご覧いただくとわかるように、全ての通信会社でキャリアアグリゲーションという技術を使った通信が提供されていますが、最大通信速度は各社異なります。

つまり「キャリアアグリゲーションを使うための3つの条件」のうち「お使いの通信会社がキャリアアグリゲーションに対応していること」という条件は全ての人が満たす、ということになります。

各社のキャリアアグリゲーションの中身について、以下に簡単に触れておきます。

NTTドコモ

NTTドコモは「PREMIUM 4G」というサービス名でキャリアアグリゲーションを提供しています。

PREMIUM 4Gは「LTE-Advanced」と呼ぶこともありますが、こちらは技術名で、あくまでもサービス名は「PREMIUM 4G」です。


PREMIUM 4Gというサービス自体は2015年3月にはスタートしていましたが、技術の進化と設備の増強を経て2017年3月からはスマートフォンでは最高500Mbps、モバイルWi-Fiルーターでは最高682Mbpsという通信速度にまで到達しました。

参考:docomo「(お知らせ)国内最速となる受信時最大682Mbpsの通信サービスを提供開始」

電波の組み合わせ状況にはさまざまなパターンがありますが、例えば2017年4月現在で最新のモバイルWi-Fiルーター「N-01J」の場合は3.5GHz+3.5GHz+1.7GHzという3つの電波を使っています。

3.5GHz帯では「4×4MIMO」という技術も併せて使っていますが、こちらは電波の送受信両方でアンテナを4本ずつ使う、という技術です。

キャリアアグリゲーションとは異なりますが、同じく大容量データを効率良く送って通信速度を向上させるためのものです。

加えて、キャリアアグリゲーションで束ねた電波で送るデータは「256QAM」という技術を使い、従来比で約1.3倍のデータを送ることが可能になっています。

au

auでもキャリアアグリゲーションは提供されています。

  • 「auの電波のみを組み合わせたもの」
  • 「auの電波とWiMAXの電波を組み合わせたもの」

の2つが存在します。

どちらを使った通信になるかはお使いになるスマートフォン、モバイルWi-Fiルーターによって異なります。

WiMAXはUQコミュニケーションズから提供されているモバイルWi-Fiルーター向けの回線ですが、UQコミュニケーションズはauと同じくKDDIグループに属しているため相互補完関係にあります。

通信速度はNTTドコモの項目でもご紹介した4×4MIMOとキャリアアグリゲーションを組み合わせたパターンで、最大440Mbpsとなります。

ソフトバンク

ソフトバンクは「4G LTE」「Hybrid 4G LTE」というサービス名でキャリアアグリゲーションを提供しています。

ソフトバンクのキャリアアグリゲーションの周波数帯の組み合わせもさまざまですが、例えば「Xperia XZ」だと2.1GHz+1.7GHz+900MHzという3つの周波数を束ね、さらに256QAMを組み合わせて速度は350Mbpsとなります。

モバイルWi-Fiルーターの「Picket Wifi 601HW」は3.5GHz+3.5GHz+2.5GHzの3つの周波数を束ねた上で、3.5GHz帯は4×4MIMOを、全体は256QAMを組み合わせて速度は612Mbpsにおよびます。

ワイモバイル

ワイモバイルにキャリアアグリゲーションをひと括りにするサービス名というのは特に存在しません。

一方、同じソフトバンクグループであるソフトバンクの4G LTE、hybrid 4G LTEを使った通信の時にキャリアアグリゲーションが提供されています。

UQコミュニケーションズ(WiMAX)

UQコミュニケーションズのWiMAXで現在提供されている最新の通信技術は、「WiMAX2+」です。

WiMAX2+の前はWiMAXという通信技術を使っていましたが、通信速度は最大110Mbpsに留まっていました。(2017年6月現在、旧回線であるWiMAXは最大40Mbpsまで下げられています)

WiMAXをキャリアアグリゲーションの技術によって220Mbpsに高速化させた無線通信方式がWiMAX2+です。

つまりWiMAX2+自体がキャリアアグリゲーションによって成立しているわけです。

さらに現在は220Mbpsの電波を2つ束ねた440Mbpsでの通信が可能になっています。

キャリアアグリゲーションに対応している機器とは?

次に2つめの条件である「お使いの端末(スマートフォンやモバイルWi-Fiルーター)がキャリアアグリゲーションに対応していること」についてご説明しましょう。


いくら通信会社がキャリアアグリゲーションを使った通信を提供していても、スマートフォンやモバイルWi-Fiルーターといった 端末側がそれに対応していない限り、その恩恵を受けることはできません。

例えばNTTドコモの場合PREMIUM 4Gというサービスが始まったのは2015年3月ですが、少なくとも 2015年春モデル以降のスマートフォン、モバイルWi-FiルーターであればPREMIUM 4Gには対応しています。

逆にいえばそれ以前に発売されたスマートフォンやモバイルWi-Fiルーターは基本的にPREMIUM 4Gに未対応であり、キャリアアグリゲーションは使えない、ということになります。


また、同じキャリアアグリゲーション、同じPREMIUM 4Gであっても対応できる最大速度は端末によって異なります。

例えば2016年冬モデルとして登場したドコモの「Xperia XZ SO-01J」は最大500Mbpsの速度が出ますが、全く同じ日に発売された「Xperia X Compact SO-02J」は最大262.5Mbpsしか速度が出ません。

どちらも同じPREMIUM 4Gに対応していながらこれだけ速度が違うわけです。

つまりキャリアアグリゲーションを意識した端末選びをする際は、まず大前提として その端末がキャリアアグリゲーションに対応している必要があり、その上で更にスペック表を見て最大通信速度をチェックする必要がある、ということです。

ここではNTTドコモの端末を例に取り上げましたが、これはどこの通信会社でも同じです。

キャリアアグリゲーションに対応したエリアとは

最後に3つめの「お住まいの地域がキャリアアグリゲーションに対応したエリアであること」についてです。


全ての通信会社でキャリアアグリゲーションという技術を使った通信が提供されていますが、各社が謳う最大通信速度で通信を行うためには、対応している端末を使うことに加えて対応したエリアである必要があります。

例えばNTTドコモのサイトでサービスエリア検索を行うと、「LTEエリア(PREMIUM 4G)」と色分けされている地域は日本全国でも大都市圏周辺と新幹線や高速道路が通っているエリア周辺に限られているのがわかると思います。

参考: NTTドコモ公式「サービスエリア」

また、WiMAXでもWiMAX2+とau 4G LTEを組み合わせた通信ができるのは2017年4月現在東京都渋谷駅周辺エリアから愛知県名古屋駅周辺、大阪府梅田駅周辺、山手線、主要駅周辺へと順次拡大しているところです。

使う端末がキャリアアグリゲーション対応なのかどうかだけではなく、 お住まいの地域がキャリアアグリゲーションを用いた通信の提供エリアかどうかも併せて確認する必要があります。

(くわしく知りたい人向け)各事業者社が使える周波数帯とは

最後に総務省から各通信会社に割り当てられている周波数帯についてご紹介しておきたいと思います。

キャリアアグリゲーションの通信は、各通信会社の割り当てられた周波数帯を組み合わせて送られている、ということになります。

各事業者がLTEで使用している周波数帯


ドコモ KDDI(au) ソフトバンク(ワイモバイル含む) UQ コミュニケーションズ
700MHz帯 バンド28
800MHz帯 バンド18/26
バンド19
900MHz帯 バンド8
1.5GHz帯 バンド11
バンド21
1.7GHz帯 バンド3
2.0GHz帯 バンド1
2.5GHz帯 バンド41

※参考: 総務省「各携帯電話事業者の通信方式・周波数帯」

まとめ

以上、スマホやWiMAXで使われているキャリアアグリゲーションという通信技術についてご紹介しました。

最後にもう1度、キャリグリゲーションについて簡単に振り返っておきます。


まず最初に、キャリアアグリゲーションとは 2つ以上の電波を1つに束ねてデータを送信することです。

そして私たちがキャリアアグリゲーションを使うには

  1. 使う通信会社がキャリアアグリゲーションに対応していること
  2. 使う端末(スマートフォンやモバイルWi-Fiルーター)がキャリアアグリゲーションに対応していること
  3. 使う地域がキャリアアグリゲーションに対応したエリアであること

以上3つの条件を全て満たす必要がありますが、条件さえ満たせば誰でも特別なお金を支払う必要なく無料で使うことができます。


キャリアアグリゲーションによって私たちが受けるメリットは、 通信の速度が速く、安定するということです。

スマートフォンやパソコンを使ってインターネットをする際に、動画が途中で止まってしまったり通信が途切れてしまったりするようなことがなくなります。

その代わりバッテリーの減りが多少早くなってしまう、というデメリットがあります。

また、現在全ての通信会社がキャリアアグリゲーションを導入していますが、端末はキャリアアグリゲーションに対応しているものとしていないものがあります。

たとえば、NTTドコモの場合2015年3月にキャリアアグリゲーションが始まっていますので、少なくともそれ以降に発売された端末は基本的に対応しています。

ただし端末によって通信速度が異なるので、端末選びの際にはまずキャリアアグリゲーションへの対応状況(NTTドコモであればPREMIUM 4Gに対応しているかどうか)を確認した上で、最大通信速度をチェックする必要があります。

更に、お住まいの地域がキャリアアグリゲーションを使った通信を提供しているエリアなのかどうかも大事です。

せっかくキャリアアグリゲーションに対応した最新の端末を購入しても、サービス提供エリアでなければ宝の持ち腐れになってしまうからです。

全ての通信会社がサイト上でサービスエリアマップを公開していますので、そちらも併せて確認をするようしましょう。

キャリアアグリゲーションを使うのに特別な料金はかかりません。

しかし、auとUQコミュニケーションズで「au 4G LTEとWiMAX2+」という組み合わせで通信をする場合は 「ハイスピードプラスエリアモード」というオプションに月1,005円の料金が発生しますので注意してください。


キャリアアグリゲーションは通信速度が劇的に速くなるので、とくにスマートフォンやタブレット、ノートパソコンにいたるまであらゆる機器をモバイルWi-Fiルーターにつないで使うようなヘビーユーザーにはとてもおすすめです。

ぜひこの記事を参考にした上で、試してみてください。

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