プロバイダーに関するトラブル2選!事例から対処法まで紹介
プロバイダーはインターネットを楽しむために必須ですが、なかなかその役割や必要性を理解するのは難しいものです。
近年、そんなプロバイダーをめぐるトラブルが多発しています。
普段の生活ではプロバイダーを意識することは少ないために、トラブルに遭遇しても、どのように対処すればいいのか分からないのではないでしょうか。
トラブルが発生すると、時間が無駄になりますし、不安になりますよね。
この記事ではこんな疑問に答えます!
- そもそも、プロバイダーとのトラブルはどのようなものがあるの?
- トラブルに遭遇したら、どのように対処すればいいの?
- プロバイダーとの契約はクーリングオフできるの?
- トラブルに遭ったら、どこに相談すればいいの?
このような疑問点にお答えするために、この記事ではプロバイダーのトラブル例を紹介し、その対処法を見ていきます。
また、2016年に「 電気通信事業法」が一部改正されました。
この記事では、あなたと直接関係する「電気通信事業法」の改正もチェックしていきます。事前に、プロバイダーに関するトラブルの知識があれば恐れるに足りません。
この記事を読んでおけば、トラブルに遭遇しても冷静に対応することができますよ。
目次
NTT東西の「卸売り」販売に関連したトラブル
現在、最も知られているトラブルがNTT東日本、NTT西日本の「卸売り」販売に関したトラブルです。
国民生活センターによると、このトラブルに関連した苦情は2015年1月~2016年1月の間に約9,500件にものぼっています。
発端は2015年2月に始まったNTT東日本、西日本の「卸売り」販売
これにより、企業はNTT東西から卸売りされた光回線や光電話のオプションサービスと、プロバイダーや携帯電話などの会社独自のサービスを組み合わせて販売することができるようになりました。
いわゆる「光コラボ」と呼ばれるものです。
確かに、消費者側から見ると選択の幅が広がったので、利便性が高まることは間違いないでしょう。
しかし、事業者側の説明不足により、トラブルが多発しています。
例:大手電話会社を名乗り新プランへの移行を勧めるケース
たとえば、
「同じ光回線のまま料金プランだけが変更されるとと思いきや、契約自体が変更になるため光回線以外のオプションも解約になってしまいメールの送信ができなくなる」
などのケースがあります。
また、
「契約内容をくわしく知らないまま担当者に言われるがままに契約し、その後に解除を申し込んだら解約金を請求された」
といった事例も発生しています。
2015年2月には総務省がフレッツ光からの転用に関する勧誘が不適切だとして、光回線サービス「U-NEXT光」や「光ギガ」に対し、勧誘方法をあらためるように指導しました。
これらの会社は乗り換え先のサービス提供者がNTTであるかのように説明し、強引な勧誘活動をしていたのです。
NTT東日本、西日本も「卸売り販売」に関するトラブルの注意喚起をしています。
トラブルを回避するにはどうしたらいいの?
それでは、このようなトラブルを回避するにはどうすればいいのでしょうか。
まず、消費者はNTT東西の「卸売り」サービスの実態を把握する必要があります。
具体的には、「卸売り」はNTT東日本、西日本との契約ではなくNTTとは別の事業者との契約になる、ということを頭に叩き込んでおきましょう。
そして、「卸売り」の勧誘メールが来たら、現在契約している事業者名とサービス名をチェックします。サービス内容と契約書、サービス提供会社名をきっちりと熟読しましょう。
重要なのは、早急に判断せず現在のサービスと「卸売り」のサービスの契約内容を比較検討することです。
とくに料金の仕組みをきっちりとチェックすることが肝要です。
万が一、トラブルに遭遇したら、早急に消費生活センターに相談することがポイントです。
間違っても、いきなり「卸売り」の契約書にサインをしてはいけません。
遠隔操作でプロバイダーが変更される
2つ目はとくに未成年者や高齢者が気をつけたいトラブルです。
これは、突然かかってくる勧誘の電話から始まります。
プロバイダーを名乗る相手は電話の中で、「インターネットが安くなります」と言葉巧みにプロバイダーの変更を求めてきます。
ここで「比較検討したいので、料金を見せて頂けませんか」と答えるとしましょう。
すると、相手は電話を使ってパソコンの操作を丁寧に指示します。
そして、いつの間にか、自社のホームページ上で契約に誘導してしまうのです。
その間に契約書が記されたページはありますが、あまりにも文字が小さく確認することができません。
その契約書の中に契約に関する内容が記載されているのです。
「そのページはそのまま飛ばして、ページ内のボタンを押してください」などと説明され、「はい」や「契約する」といったボタンをクリックし、契約に至ってしまうのです。
また、電話を使って、遠隔操作ができるソフトをインストールさせられる事例も発生しています。
この場合は自分が操作せず、相手が勝手にあなたのパソコンを操作してプロバイダーの契約をします。
プロバイダーの契約だけではなく、不要なオプションサービスを勝手に付けてくることもあります。
仮に、あとから「おかしい」と思い相手に契約解除の依頼をしても、今度は高額な違約金を請求されます。
結果として、泣き寝入りになってしまうという事例が発生しています。
トラブルを回避する2つの方法
このような遠隔操作のトラブルを回避する方法は2つあります。
一つ目は「正規のプロバイダーが遠隔操作を求めることは 絶対にない」ということを頭に入れておきましょう。
少しでも相手が遠隔操作を求めてきたら「おかしいな」と疑うことが重要です。
仮に「公式サイトに説明がありますから、今、パソコンを開いてくれませんか」という要求がありましたら、徹底的に無視しましょう。
そして、少しでも「おかしい」と感じたら相手の会社名と連絡先をメモに残し、電話を切ってから冷静な頭でその会社名を検索にかけましょう。
もしその会社が悪質な営業をしている場合、同じような被害に遭った人の口コミなどが出てくるはずです。
2つ目は 個人情報を開示しないということです。
正規のプロバイダーは電話であなたの個人情報を聞き出しません。
仮に、電話の中で悪質なプロバイダーに個人情報を開示すると、その会社があなたに代わって契約を進めることがあります。
相手がどのように名乗っても個人情報を開示してはいけません。
知っておきたい「電気通信事業法」の一部改正
ここからは消費者にも直接関係する「電気通信事業者法」の一部改正について解説します。
「電気通信事業者法」とは?
プロバイダーなどの電気通信事業者がフェアな競争ができるように法整備し、消費者にとってプラスになることを目的としているもの
参照:電子政府の総合窓口e-Gov「電気通信事業法」
したがって、今回の法改正で変更を迫られるのは電気通信事業者で、消費者が何らかの法的義務を負うことはありません。
今回の法改正のポイントは、クーリングオフがプロパイダーサービスにも適用されたことです。
以前はプロバイダーのサービスは特定商法取引法の適用外となっており、クーリングオフができませんでした。
そのため、プロバイダーとのトラブルに遭遇しても、消費者が泣き寝入りすることが多かったのです。
この事態を重く見て、国は「電気通信事業法」の一部改正に踏み切りました。
具体的には、
- 「契約後の書面交付義務」
- 「クーリングオフの導入」
- 「不実告知等の禁止」
- 「勧誘行為継続の禁止」
が定められたのです。
書面には料金体系の図式化、付属の有料オプションに関する説明を記載することが求められています。
また、クーリングオフの導入により、消費者は契約を受領した日から8日以内に契約を解除できるようになりました。
消費者として知っておくべき大切な2つのこと
法律が一部改正したことを踏まえて、消費者として知っておくべき大切なことが2つあります。
一つ目は書面が法律に記載されているようなレイアウト(料金体系の図式化、付属オプションに関する説明の記載)になっているかということです。
仮にわかりにくい書面ですと要注意です。
二つ目は書面を端から端まで国民生活センターが発表している法律改正に関する関係資料を見ながらチェックすることです。
そして、分からないことがあれば、すぐに消費生活センターなどに相談しましょう。
まとめ
ここまでトラブルの内容と回避方法、法律の改正を解説しました。
もう一度、トラブルの種類とその対応法を整理しておきましょう。
代表的なトラブルの種類としては、NTT東日本、西日本の「卸売り」に関する勧誘と電話を使った誘導操作が挙げられます。どちらのトラブルも急増しているので、注意が必要です。
対応法としては、契約書が渡されたら端から端までしっかりと読みましょう。
そして、契約書が法律に沿ったものであるか、しっかりとチェックすることが大切です。何よりも、慌てずに冷静に対応することが必要です。
分からないことがあれば独断で決めずに、相談機関に電話をすることが大切です。
代表的な相談先として挙げられるのが国民生活センターです。
国民生活センターは「 消費者ホットライン」(局番なしの188)を設けています。もし「消費者ホットライン」がつながらない場合は「消費者ホットライン平日バックアップ相談」(03-3446-1623)に電話しましょう。
プロバイダー会社が集まる電気通信事業者組合も相談窓口(03-4555-4124)を設けています。こちらは平日のみの対応なのでご注意ください。
また、サービスの申し込みや料金支払に関する問い合わせは受け付けていません。
その他に、地方自治体の生活情報センターを使うこともできます。
直接会って相談したい場合は、地方自治体の相談窓口を利用するといいでしょう。