モバイルWi-Fiルーター?固定回線?どっちがお得か、世帯形式別に徹底比較!
自宅でインターネットを利用するなら、普通はまず「フレッツ光 」や「auひかり 」などの固定回線系のサービスを考えますよね。
しかし固定回線は初めに開通工事が必要だったり、サービスごとに異なりますが月額料金は最低でも5,000円程度かかることが多く、諸々の費用が高いのがデメリットです。
そんな固定回線の代替になるサービスとして、「WiMAX 2+」や「Pocket WiFi」などのモバイルWi-Fiルーターが考えられます。
これらは開通工事が不要ですし、月額料金も4,000円台からと固定回線よりもリーズナブルです。
それでは、固定回線よりもモバイルWi-Fiルーターを契約したほうがお得なのかと言うと、必ずしもそうではありません。
今契約中の携帯電話会社によっては、光回線を契約してセット割引を適用したほうが安く済む場合もあります。
ここでは両者の特徴を簡単におさらいしてから、世帯構成別にモバイルWi-Fiルーターと固定回線のどちらがお得に利用できるのか考えてみましょう。
この記事ではこんな疑問に答えます!
- モバイルWi-Fiルーターって便利そうだけど固定回線と比べてどうなの?
- 一人暮らしを始めたいけれど固定回線を契約するべき?
- 固定回線のおすすめの会社ってあるの?
目次
モバイルWi-Fiルーターと固定回線の特徴
初めに「モバイルWi-Fiルーター」と「固定回線」、それぞれの特徴を簡単にまとめてみます。
モバイルWi-Fiルーターの特徴
- バッテリーを内蔵しているので持ち運びが可能
- 開通工事不要で簡単に使い始められる
- 容量無制限プランは月額4,000円台から利用可能
- 通信量が少なくてもいいライトユーザー向けのサービスも選べる
- 固定回線と比べると通信速度や電波の接続が不安定
- 短期間に大量の通信を行うと通信速度が制限される場合がある
モバイルWi-Fiルーター最大の特徴は持ち運びが可能であることでしょう。
サービスエリア内であればお店や滞在先の宿泊施設など、自宅以外でもインターネットを利用することが可能です。
しかも開通の工事が不要で届いたその日からインターネットが楽しめます。
容量制限がないモバイルWi-Fiルーターと言えば、UQコミュニケーションズが提供する「WiMAX 2+」や、2019年3月からサービスがスタートした「どんなときもWiFi」があります。
画像引用:どんなときもWiFiの特徴
このほかにも、携帯キャリア大手であるdocomoも自社のスマートフォン契約者向けに、月額1,000円から利用できるシェアオプションのデータプラスを提供しています。
Y!mobileでは、月額2,000円台から利用できるライトユーザー向けプランも用意されています。
下記、モバイルWiFiを提供している会社の料金プランを比較しました。
※スマホの方は表をスワイプできます。
キャリア | プラン | データ容量 | 月額費用 | 機器代金 | 特徴 |
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UQ WiMAX | UQ Flatツープラス ギガ放題 | 使い放題 短期速度制限:10GB/3日間 |
4,380円 | 別途要 |
2年契約/3年契約 3年契約の場合LTEオプション料1,000円が無料 |
UQ Flatツープラス | 7GB 短期速度制限:10GB/3日間 |
3,696円 | 別途要 | 2年契約/3年契約/4年契約 3年/4年契約のみLTEオプション料1,000円が無料 |
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GMO WiMAX | GMOとくとくBB ギガ放題 | 使い放題 短期速度制限:10GB/3日間 |
4,263円 | 無料 | 3年契約 2ヶ月目までは月額3,609円 毎月プラン変更可能 キャッシュバックキャンペーン開催 |
GMOとくとくBB WiMAX2+接続サービス | 7GB 短期速度制限:10GB/3日間 |
3,609円 | 無料 | 3年契約 毎月プラン変更可能。 キャッシュバックキャンペーン開催 |
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Y!mobile | Pocket WiFiプラン2 ライト | 5GB 短期速度制限:10GB/3日間 |
2,480円~ | 無料 ※月額割引適用 |
3年契約 |
Pocket WiFiプラン2 | 7GB 短期速度制限:10GB/3日間 |
3,696円~ | 無料 ※月額割引適用 |
3年契約 |
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docomo | ギガホ+データプラス | 30GB | 6,980円~ +1,000円 |
別途要 | 2年契約 短期速度制限なし |
ギガライト+データプラス | ~7GB | 2,980円~ +1,000円 |
別途要 | 2年契約 短期速度制限なし |
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どんなときもWiFi | データ放題プラン (クレジットカード払い) |
使い放題 | 3,480円 | 無料 (レンタル) |
2年契約 短期速度制限なし 25ヶ月目以降は月額3,980円 |
※契約期間中の解約は別途解約料が必要
※各プラン契約期間縛りありの金額を記載
※ドコモは2019年6月よりデータのみの契約プランの新規受付終了
利用スタイルに応じて様々な使い方が可能である一方、モバイルWi-Fiルーターは無線で接続するため、通信速度や接続の不安定さが気になります。
特に「WiMAX 2+」や「SoftBank 4G(AXGP)」は高周波数帯を利用しているため、 屋内や山間部などの障害物が多い場所では繋がりにくくなるというデメリットを抱えています。
またほとんどのサービスにおいて、 短期間に大量の通信を行うと通信速度が制限される場合があります。
しかし、docomoの最新WiFiルーター「Wi-Fi STATION HW-01L」やWiMAX2+の最新WiFiルーター「Speed Wi-Fi NEXT W06」では、一部のエリアや環境にもよりますが最速1.2Gbpsの高速通信が可能となりました。
ついにモバイルWiFiもギガ越えとなり、持ち運びが出来る点で固定回線から乗り換える人が増えてきています。
モバイルWiFiについて更に詳しく知りたい方は、下記記事をご参考ください。
固定回線の特徴
- 屋内に回線を引き込むので安定した高速通信が利用可能
- モバイル回線のような通信制限がない
- 一戸建て住宅はマンションタイプよりも料金が高く設定されている
- マンションタイプは一戸建て住宅よりも通信速度が遅くなりやすい
- 初期費用や月額料金が高い
まず、固定回線は契約した住宅でしか利用することができません。
その代わりに屋内まで回線を引き込むので、非常に安定した高速通信を利用することができます。
また、無線LANルーターを利用すれば、Wi-Fiを利用して家の中で無線通信をすることが可能です。
どのサービスも定額で使い放題のプランが主流なので、通常使用の範囲であればどれだけ通信しても速度が制限されるようなことはありません。
ただし固定回線の仕組み上、一戸建て住宅はマンションタイプよりも工事費用や月額料金が高く設定されていることが多いです。
逆にマンションなどの集合住宅では、1つの回線を住人全員で共有しているので、同じ時間帯にインターネットをする人が多いほど通信速度が遅くなりやすいというデメリットがあります。
利用スタイルに合わせて選ぼう!
工事費用や月額料金はサービスごとに異なりますが、インターネット利用にかかる総費用は
- 固定回線(戸建て)>固定回線(マンション)>モバイルWi-Fiルーターとなります。
集合住宅の固定回線料金は加入戸数により変動したりするため一概には言えませんが、おおよそこの順になるでしょう。
しかし実際は、契約している携帯電話会社のセット割引を適用することで、モバイルWi-Fiルーターよりも固定回線のほうが安く利用できる場合もあります。
逆にモバイルWi-Fiルーターも、スマートフォンとのセット割引を適用できる場合があるためかなり複雑です。
そこで、モバイルWi-Fiルーターと固定回線のどちらがよりお得に利用できるのか、家族構成別に3パターンをまとめてみました。
ただしその前に1つだけ注意点があります。
鉄筋コンクリート住宅に住んでいる人はモバイルWi-Fiには注意
家族構成に関わらず、鉄筋コンクリート造の住宅にモバイルWi-Fiルーターを導入することはあまり推奨しません。
なぜなら、WiMAX2+やY!mobileのポケットWiFiは2.5GHzの高周波数帯を利用しているので障害物に非常に弱く、コンクリートを透過しにくいという弱点があります。
そのためサービスエリア内であっても鉄筋コンクリートの屋内では繋がりにくくなる可能性が高いです。






WiMAX 2+の「LTEオプション」、またはY!mobileの「アドバンスオプション」を申し込むと、いわゆるプラチナバンドと呼ばれる低周波数帯で通信することが可能です。
低周波数帯の電波は障害物を回避しやすく、コンクリートを透過しやすいので屋内でも繋がりやすいのです。
しかしプラチナバンドの低周波数の利用は月間データ通信量が7GBを超過すると通信制限が行われます。
固定回線の代替として利用するのであれば、7GBはあまりにも少ないでしょう。
以上の理由から、鉄筋コンクリートのマンションなどに住んでいる場合はモバイルWi-Fiルーターを導入しても快適に通信できない可能性が高いのでおすすめしません。
今住んでいる住宅で電波を掴めるかどうか確かめてみたい場合は、UQコミュニケーションズの「TryWiMAX」を申込むことでWiMAX 2+対応機器を15日間レンタルすることが可能です。
モバイルWiFiのお試しについては、下記記事にて詳しくご紹介していますのでご参考ください。
学生や社会人など一人暮らしの場合
学生や社会人で一人暮らしされている方なら、 多くの場合はモバイルWi-Fiルーターを利用するほうがお得です。
利用するのが自分一人だけなら常にモバイルWi-Fiルーターを持ち運んでいても何の問題もありません。
モバイルWi-Fiルーターがあれば外出先でもインターネットを利用できるので、スマートフォンのテザリング機能を使用せずに済むだけでなく、スマートフォンのデータ通信量を節約することも可能です。
また、モバイルWi-Fiルーターは引っ越してもそのまま利用し続けることが可能なので、1~2年くらいの短期間だけ居住する場合にも向いています。
例えばもし一人暮らしをやめて実家に戻ることになったとすると、下宿先と実家のどちらも固定回線を引いている場合はどちらかを解約しないといけません。
契約期間はサービスやプランなどにより異なりますが、いずれにしても契約期間の満了を迎える前に解約してしまうと高額な解約金が発生します。
キャンペーンなどを利用して契約した場合は、適用条件を満たさずにキャッシュバックを受け取れなくなることも考えられます。
しかしモバイルWi-Fiルーターなら必ずしも引越しのタイミングで解約する必要はなく、定期契約の更新月を迎えてから解約すれば高額な解約金を支払う必要もありません。
解約までの間、必要であれば固定回線と併用し続けることも可能です。
画像引用:au_auスマートバリュー mine
また、auのスマートフォンを利用している方は、WiMAX 2+を契約することで「auスマートバリュー mine」を適用することが可能です。
最大2年間、auスマートフォンの利用料金が最大1,000円/月割引となります。
WiMAX 2+は本家UQに限らず、サービス会社(MVNO)と契約したものでも適用可能です。
またMVNOの格安SIMサービスを利用している場合、キャンペーン期間中に同じMVNOのWiMAX 2+を契約することでセット割が適用されることもあります。
一人暮らしで外出先でもインターネットを利用したり、短期間しか居住しないことがあらかじめ分かっている場合はWiMAX 2+などのモバイルWi-Fiルーターがおすすめです。
夫婦2人で暮らしている場合
夫婦共働きで日中は家を空けていることが多いという場合は、モバイルWi-Fiルーターから検討してみると良いでしょう。
ただし、2人ともauのスマートフォンを利用している場合は光回線とのセット割引auスマートバリューが適用可能なauひかりと契約するのもおすすめです。
2回線で最大4,000円/月の割引を受けることができます。
ちなみにdocomoやsoftbankも似たような光回線のセット割引を行っていますが、こちらはあまりお得ではありません。
ドコモ光の「セット割」は回線単位ではなく世帯での割引となり、1回線ごとに割引くauスマートバリューと比べると割引額はかなり小さいです。
またsoftbankの「おうち割 光セット」は一見するとauと同じくらいの割引に見えますが、こちらは家族データシェアとの併用ができなかったり、割引の適用に必要なオプションサービスの月額料金が割引額とほぼ同じだったりと、実際はauスマートバリューよりも劣ります。
OCNやIIJなど、格安SIMと固定回線のセット割引を行っているMVNO事業者も存在します。
たとえばOCN光 なら最大5回線まで1回線につき200円/月、IIJなら600円/月割引となります。
しかし、このようなセット割引がなければ料金面ではモバイルWi-Fiルーターのほうが優秀です。
さらに、工事が不要なので開通作業に立ち会う必要もなく、端末を受け取ったその日から利用することができます。
また、逆に夫婦のどちらかは常に家にいて、二人とも日中もインターネットを使うという場合だと、必ずしもモバイルWi-Fiはおすすめできません。
その場合は
- 外へ持ち運ぶ側がスマホのテザリング機能では困るほど通信を行うか
- 家と外、どちらでより大容量の通信を行っているか
を検討し、「固定回線+テザリング機能」or「モバイルWi-Fi」の組み合わせを検討するのをおすすめします。
家族3人以上で暮らしている場合
夫婦とその子どもなど、3人以上で暮らしている、あるいはインターネットを利用する人が家に3人以上いる場合は固定回線を契約するのが無難ですし、固定回線のほうがお得になるケースも少なくありません。
まず利用する人数や機器が増えればそれだけデータ通信量も増えるので、モバイルWi-Fiルーターだと通信制限に引っ掛かる可能性が高くなります。
またモバイルWi-Fiルーターは持ち運び可能であることが最大のメリットですが、外に持ち出すと家に残された人がインターネットを利用できなくなってしまいます。
ルーターがない時はスマートフォンのテザリング機能で代用することもできますが、それなら外でインターネットを利用したい人がテザリングで代用しても良いはずです。
そしてスマートフォンの契約回線が増えると、先ほど紹介した「auスマートバリュー」などの割引額が大きくなるのが1番のメリットです。
ドコモは回線数が増えても割引額は変わりませんが、スマートフォンの料金プラン自体が回線数が多いほうが割安となる料金体系を採用しており、割引額の少なさをカバーしています。
固定回線でも割引額次第ではモバイルWi-Fiルーターと同等、あるいはそれ以下の料金で利用することが可能です。
既に説明したようにWiMAX 2+やAXGPは屋内へ電波が届きにくいという弱点があります。
とくに鉄筋コンクリートの住宅はかなり繋がりにくいので、固定回線を引いたほうが快適にインターネットを利用できます。
利用人数や機器が多いのであればなおのこと、安定した高速通信を利用できる固定回線がおすすめです。
ただし一戸建て住宅の場合は、マンションタイプよりも月額料金が1,000~2,000円程度高く設定されていることが多いです。
セット割が適用できなかったりモバイルWi-Fiルーターのほうが安く利用できる場合は、コストを重視してモバイルWi-Fiルーターを契約するという選択肢もアリでしょう。
まとめ
単純にコストを比較すればモバイルWi-Fiルーターが最も安く、お得に利用することができます。
持ち運びが可能である点も大きなメリットです。
しかし一緒に暮らす家族が増えると、スマートフォンとのセット割の適用次第では固定回線のほうがお得になることもあります。
また光回線とのセット割が行われているのは大手キャリアだけではありません。
たとえばOCNの格安SIM「OCNモバイルONE」と「OCN光」をセットで契約すると最大で1,000円/月の割引を受けることが可能です。
※OCN モバイル ONE OCN 光モバイル割:1契約200円/月の割引で最大5契約まで
セット割引の恩恵が少ない一人暮らしなどではモバイルWi-Fiルーターのほうが低コストで運用することが可能ですが、高周波数帯を利用するモバイルWi-Fiルーターは屋内で電波を受信しにくいというデメリットもあります。
家族構成だけでなく利用スタイルや使用環境に合わせて固定回線とモバイルWi-Fiルーターのどちらを契約するのか考えましょう。
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